音声ピッキングシステム POT Voiceを11月から販売開始
音声指示と音声認識により、物流効率を10%アップ
アイニックス株式会社は、ドイツのtopsystem systemhaus(トップシステム)社の音声認識エンジンtopSPEECH-Lydia(トップスピーチ リディア)を搭載した、音声ピッキングシステムPOT Voice(ポットボイス)を開発し、11月末より販売開始します。アイニックスは、トップシステム社とパートナー契約を締結し、音声認識エンジンtopSPEECH-Lydiaのライセンスを取得しました。
音声ピッキングは、従来のリストピッキング(ペーパーピッキング)やバーコードピッキングに比べ、ハンズフリーとアイズフリーにより10%以上の高い物流効率を達成することができます。また、画面操作やキー操作がなく、アナウンスにしたがって作業をしますので、ストレスも最小化できます。更に、バーコード表示がなくても使用することができます。
音声ピッキングのイメージ |
POT Voiceの進捗管理画面 |
高い物流効率
音声ピッキングPOT Voiceは、システムからのアナウンス指示に対して音声で返答をしながら作業を進めます。具体的には、まず作業者に棚番号をアナウンスします。作業者は、棚に表示されたチェック番号を発声し、正しい棚かどうかを確認します。次に、作業者に出荷数量をアナウンスします。作業者は、実際に出荷する数量を発声し、それが、指示数より多い場合は数量超過を、少ない場合は数量不足の警告をアナウンスします。
音声ピッキングは、歩きながら指示を受け、聞きながら出荷できます。ピッキングリストをチェックしたり、出荷指示画面を見たり、バーコードをスキャンしたり、キー入力したりすることがないために、従来のバーコードピッキングに比べ商品特性にもよりますが10%以上の物流効率の改善が可能です。また、両手が自由ですので重量物や大容積品の出荷やフォークリフト出荷に効果的です。
バーコードがなくても運用可能
今までの物流システムは、多くの場合、商品および棚にバーコード表示が必要でした。しかし、音声ピッキングでは、棚番号を目視で確認しますので、バーコード表示がなくても運用することができます。もちろんバーコード表示があれば、商品検品やロット番号等の入力もできますが、ピッキング作業には必ずしも必要ではありません。バーコードラベルを貼付しないことにより、システム導入が安価かつ短期間になります。
冷凍庫でも使用できる音声ターミナル
POT Voiceは、画面やキーボードがない音声専用ターミナルVOXter(ボクスター)を使用しています。これは、大容量バッテリー搭載により14時間の長時間運用が可能で、しかも-30℃の冷凍庫でも使用できるように設計されています。冷凍庫では、低温により液晶画面が表示できず、また、手袋によりキーボードを操作できませんので、音声ピッキングは最適です。
作業者変更が容易な不特定話者方式
POT Voiceは、話者を登録せずに使用できる不特定話者方式を採用していますので、作業者の入れ替わりが頻繁にある物流現場に最適です。音声認識は、数字の他に、"OK"、"作業開始"、"もう一度"など、シンプルな音声に限定することにより、97%以上の高い認識率を確保しています。また、アナウンスは、音声合成による機械音声ではなく、録音した自然音声を使用していますので、聞き易く、長時間の運用による疲労を最小化できます。
上位のERPやWMSと連携
POT Voiceは、上位のERP(基幹システム)やWMS(倉庫管理システム)のサブシステムとして連携して使用します。出荷指示データを上位システムからダウンロードし、ピッキング終了後に、その結果を上位にアップロードします。また、ピンキングの進捗状況を画面で確認できます。