概要
音声ピッキングは、音声による指示(アナウンス)と音声による確認(返答)によりピッキング作業を行う。バーコードのように画面を見てキー入力する必要がなく、両手で作業できることから作業効率を改善できる。また、音声指示により作業を進められるので、短時間でベテランなみの作業速度に達することもできる。欧米では、バーコードから切り替えるユーザが増加しているので、日本でも、重量物、ケース品、フォークリフト出荷などハンドフリーが有効な倉庫や、冷凍庫などの特定分野から普及していくと思われる。
ピッキング方式の比較
バーコードピッキングは、リストピッキングに比べ出荷精度を高くできるが、キー入力やバーコードスキャンにより作業効率は低下する。また、ハンディターミナルの操作にも熟練を要する。しかし、ロット番号入力などのデータ入力には適している。
一方、デジタルピッキングは、ハンズフリーとアイズフリーによる高い作業効率が可能であるが、設備投資金額が大きく、棚追加や棚変更等も容易ではない。したがって、出荷頻度の少ない製品に使用することは、投資効率が悪い。
これらに比べ音声ピッキングは、デジタルピッキングより投資金額が少なく棚番変更も容易で、バーコードピッキングより作業効率が良い。ロット番号入力が必要な場合は、バーコードを併用する。
「ながら」で効率アップ、安全確保
音声ピッキングは、アナウンスを聞きながら目的の場所に移動し、アナウンスを聞きながらピッキングができる。したがって、出荷頻度の少ないエリアでは、移動時間を有効に活用することができる。また、ハンディターミナルの画面操作、キー操作、バーコードスキャンの必要もないので効率的である。更に、障害物などの危険を回避できる。
高い出荷精度
音声指示のみでは、棚を勘違いして誤出荷することがある。そこで、勘違いを防止するために、棚番に表示された2桁のチェックデジットを発声し、棚番をシステムでチェックする。また、出荷数を発声することにより出荷数もチェックしているので、出荷精度が高い。
作業者変更が容易な不特定話者方式
かつては、音声認識率を高めるために個人の癖が登録できる特定話者方式を使用していたが、現在は、認識技術の進歩により不特定話者でも支障がないレベルに達している。これにより、作業者変更の度に音声登録をする手間を省くことができる。POT Voiceは、不特定話者でも極めて高い認識率の音声認識エンジンを搭載すると共に、数字、開始、終了、OK、もう一度など、単語を限定することにより更に認識率を高くしている。
ボイスコマンドで機能設定
ログイン、作業開始、音量調整、一時停止などを音声で制御できる。また、開始時に話者を特定し、アナウンスの内容や音声の速度を選択する必要があるが、どのボイスターミナルを使用しても、音声ログインで設定ファイルを呼び出しすぐに業務を開始できる。
音声ピッキングシステム Lydia Voice