概要
バーコードや二次元シンボルのデータにアプリケーション識別子やデータ識別子が付いていれば、それが何のデータかを判断することができる。しかし、同じ桁数で異なるシンボルの場合、そのデータが、製品番号なのか、ロット番号なのか、或いは他のデータなのか判断することはできない。
また、最近のリーダは、シンボルの自動識別機能を持っているので、特定のシンボルに設定しなくとも自動識別して読み取ることができる。したがって、ますます読み取ったデータを識別することはできなくなっている。
そこで、これらの問題を解決するために考案されたものがシンボル体系識別子である。これは、バーコードや二次元シンボルに付加する識別子ではなく、リーダが、読み取ったデータに付加して出力する識別子である。
バーコードリーダや二次元リーダは、読み取ったデータの前にこの識別子を付加して出力する。昔のシンボル識別子は、リーダメーカによって異なっていたが、ユーザアプリケーションを共通化できるように欧州規格EN796で規格化され、続いてAIMIのITSに登録、そして、2000年にISO/IEC15424規格になった。
データ構造
シンボル識別子のデータ構造は、次のとおりである。
] c m
] :フラッグキャラクタ(ISO646におけるASCII値93の記号)
c :コードキャラクタ
m :モードキャラクタ
なお、リーダからシンボル識別子が転送されることがあるアプリケーションや使用するデータの中に"]"のデータが存在するアプリケーションでは、最初のキャラクタに"]"を使用してはならない。また、受信システムは、シンボル識別子であるか、単なるデータであるかどうかを判断するために、その背景を検証しなければならない。
コードキャラクタ
シンボルの種類を示すコードキャラクタは、大文字アルファベットのAからZと小文字アルファベットのaからzの1文字で表現される。
A | Code39 | M | MSI |
B | Telepen | N | Anker |
C | Code128 | O | Codablock |
c | Channel Code | P | Plessy Code |
D | Code One | Q | QR Code |
d | DataMatrix | R | Straght 2 of 5(2 bar start/stop) |
E | EAN/UPC | S | Straght 2 of 5(3 bar start/stop) |
e | GS1 Databar | s | SuperCode |
F | Codabar | T | Code49 |
G | Code93 | U | MaxiCode |
H | Code11 | v | UltraCode |
I | Interleaved 2 of 5 | X | Other Barcode |
K | Code 16K | Z | Non Barcode |
L | PDF417 | z | AztecCode |
モードキャラクタ
シンボルの種類の中で、チェックデジットの有無、GS1コード体系、誤り訂正レベル等の詳細を0~9の数字で表現される。