RSSとは、Reduced Space Symbology(省スペースシンボル)の略称で、1996年、国際EAN協会と米国コードセンター(UCC)が共同で開発した小物商品用の流通バーコードシンボルである。1999年に国際自動認識協会AIMIのITS規格になり、その後、ISO/IEC24724で規格化された。従来のバーコードは、シンボルキャラクタとエンコードキャラクタが1対1で対応していたが、RSSでは、データが圧縮されているので、少ないモジュール数で多くの情報を表わせるようになっている。RSSシンボルは、2007年1月よりGS1 Databarに改名された。
GS1 Databarには、GS1 Databar(標準型)、GS1 Databar Limited(制限型)、GS1 Databar EXpanded(拡張型)の3種類のシンボルがある。また、GS1 Databarは、GS1 Databar Omni-directional(標準型)、GS1 Databar Stacked(二層型)、GS1 Databar Truncated(高さ制限型)、GS1 Databar Stacked Omni-directional(二層標準型)の4種類のバリエーション(GS1 Databar Family)がある。これは、高さ方向の印字スペースのない商品、印字幅のない商品、オムニスキャナでの読み取りが想定できる商品など、様々のアプリケーションに対応できるように工夫したものである。
GS1 Databar Limitedは、GS1 Databarの限定版であり、梱包インジケータを使用単位の“0”と販売単位の“1”に限定することにより、シンボルサイズを最小化している。
GS1 Databar Expandedは、GS1 Databarの拡張版であり、GS1-128のようにアプリケーション識別子とデータを組み合わせて、複数のデータを連結できるようになっている。また、GS1 Databar Expanded Stackedは、GS1 Databar Expandedを多段化することができる。
GS1は、まずEAN-13/8やUPC-A/Eがマーキングできない果実、食肉、文具、化粧品、薬品、医療材料にGS1 Databarの利用を提案している。そして、次に、GS1 Databarの読取環境が広く整えば、汎用商品においても利用されるだろうと考えている。なぜなら、GS1 Databarは、国際取引商品コードGTINに対応できると供に、パッケージデザインの自由度が向上するからである。
RSS-14のシンボル構造
RSS Limitedのシンボル構造
RSS Expandedのシンボル構造