二次元シンボルは、構造的に2種類に分類できる。一つは、格子状に多角形や円形のセルを並べたマトリックス型シンボルで、QR Code、DataMatrix(データコードとも言う)、MaxiCode、AztecCodeが代表的である。シンボルの形状は、一般的に正方形であり、二次元シンボルを認識し易くするために、四角やL字のフレームで囲われているか、ファインダーパターン、ビューファインダまたはブルーズアイ(Bull's eye)と呼ばれる特徴的なマークがシンボルの中に配置されている。
もう一つは、一次元シンボルを積み重ねたような形のマルチロー型(多段型、スタック型とも言う)で、Code49やPDF417が代表的である。情報の基本単位は、シンボルキャラクタ、または、コードワードと呼ばれる一次元シンボルで、それが縦横に並んでいる。一般的に長方形であり、スタートコードとストップコードに挟まれている。また、行をランダムに読込んでもデコードできるように、行情報を表したロウインジケータが配置されている。<br />マトリックス型シンボルの読取原理は、セルの配置を認識しデコードすることから、一次元リーダのようなスキャニング方式で読み取ることは非常に困難である。したがって、ニ次元イメージャ(イメージリーダとも言う)でシンボル画像を取得し、格子上のセルの黒白を1と0に変換する。
マルチロー型シンボルの読取原理は、一次元シンボルと同じようにバーやスぺースのエレメント幅を計測し認識するので、従来のレーザスキャナやCCDスキャナで読み取ることができる。この場合、手首でスキャナを上下にゆっくりとスキャンして読み取るか、ラスタースキャン型のレーザスキャナを使用する。しかし、近年は、読取操作性と読取速度から二次元イメージャを使用することが多い。
マルチロー型とマトリックス型は、それぞれ一長一短あるために、使用用途や使用環境等を考慮して使い分けられている。
マトリックス型 |
スタック型 |
GS1 (旧、国際EAN協会と米国コードセンターUCC)は、一次元シンボルとマルチロー型二次元シンボルの合成を研究し、合成シンボル(Composite Symbol)を開発した。このシンボルでは、商品コード情報のみを必要とする場合は、従来どおり一次元シンボル部分を読み取る。有効期限やロット番号等の情報が必要な場合は、二次元シンボルリーダを使用してシンボル全体を読み取り、一次元シンボルと二次元シンボルの情報を一つの情報として読み取る。一次元シンボルと二次元シンボルを独立して配置するより省スペースになる。しかも、バーコードシンボル利用には従来の安価なバーコードリーダが利用できるなど、利用目的に応じて使い分けることができる。
GS1 Databar (RSS) 合成シンボルの例 |