特長

単層ラックを使用せずにパレットを直接搬送

フォークリフト搬送ロボット LMRは、フォークリフトを装備した潜込型の搬送ロボットであり、FMR（フォークリフト型移動ロボット）とLMR（潜込型搬送ロボット）の利点を融合した革新的なAMR（自律搬送ロボット）です。FMRはパレットを直接搬送できる一方で、旋回半径が大きく速度が遅いという課題があり、LMRは柔軟性に優れるものの、パレット搬送には専用ラックが必要でした。フォークリフト搬送ロボット LMRは、これらの弱点を克服し、フォーク機構を備えたシャーシで直接パレットを扱えるため、インフラの追加なしに柔軟な搬送が可能です。狭小スペースでの運用や高速搬送にも対応し、製造業や物流業、小売業など多様な業界での導入が進んでいます。

構造と機能の多様性

フォークリフト搬送ロボット LMRは、用途に応じて選べる2種類のシャーシ（差動駆動型と全方向駆動型）を備えており、狭い通路でも自在に動ける設計です。積み降ろし方式もフォークリフト型とドライブイン型の2種類があり、現場のレイアウトや運用方法に応じて柔軟に対応可能です。さらに、JIS規格パレットだけでなく、非標準パレットや業界特化型ラックにも対応しており、汎用性が高いのが特長です。これにより、既存の設備や運用方法を大きく変更することなく導入でき、スムーズな現場適応が可能となります。

ナビゲーションと安全性

フォークリフト搬送ロボット LMRは、V-SLAM（Visual Simultaneous Localization and Mapping）、L-SLAM（Laser SLAM）、2Dシンボル方式といった複数のナビゲーションモードを搭載しており、環境や運用条件に応じて最適な方式を選択できます。また、CE安全構成に準拠しており、機械指令（MD）、無線機器指令（RED）、電磁両立性（EMC）などの国際基準を満たしています。さらに、動的キャリア認識機能により、搬送対象のパレットを自動で識別し、誤搬送や衝突を防止。安全性と信頼性を両立した設計となっています。

性能と競争力

フォークリフト搬送ロボットは、差動型シャーシで最大2.0 m/sの高速走行が可能であり、従来のフォークリフト型 FMRよりも大幅に搬送効率が向上しています。全方向型シャーシでは、JIS規格パレット（1.2×1.0 m）を使用しても、わずか1.5 mの通路幅でピッキング・格納が可能となり、倉庫スペースの有効活用に貢献します。また、ローラーコンベア、エレベーター、エアシャワーゲートなど多様な第三者機器とのドッキングが可能であり、既存の物流システムとの統合も容易です。