モバイルで除染管理を効率化
福島県の除染作業は、一ヶ月の累積被爆線量の上限値を1,600μ㏜として、作業者管理をすることになっています。これを越えた作業者は、作業現場を被爆しない場所に変更するか、作業停止にしなければならないので、迅速で正確な管理が求められます。
導入前の課題
従来は、当日の被爆線量値を作業日報を現場で記述し、中央コントロールセンタまで回収して集計していました。また、Excelで集計していましたので、作業者200人のデータ入力に毎日3~4時間を費やしていました。
導入後の効果
- 現場で、作業者RFタグの読取と被爆線量入力をすることにより、迅速で正確な被爆線量管理が実現しました。
- また、被爆線量の入力ミスがなくなり、3~4時間の集計時間が節約できました。
- 被爆線量が上限値の80%のとき黄色、90%を超えたら赤色のアラームを表示したことにより、適正な人員配置が可能になりました。
- データがデジタル化されたことにより、市町村に提出する報告書を自動作成できるようになりました。
- 現場作業リーダは、タブレットに必要事項を入力するだけで、日報作成が無くなりました。
システム概要
福島原発の除染作業において、作業者の出退勤管理及び累積被爆線量の管理を目的としたシステムです。作業者のヘルメットにRFIDタグ(UHF帯)を取付、Bluetooth接続のハンディリーダで読取を行い、タブレットに入力します。
出勤時にRFIDタグを読取し、出勤管理を行ます。退勤時にRFIDタグを読取し、当日の空間線量計の線量値をタブレットに入力します。
入力されたデータは、モバイルデータ通信SIMカードを使用して、インターネット経由でデータ送信を行い、中央コントロールセンタで作業員の被爆線量管理を行います。
マスタ登録
作業者マスタに作業者番号と作業員名を登録します。次に、RFIDリーダでヘルメットのRFIDタグを読み取り、そのID番号と作業者名を紐付を行います。
出勤登録
出勤時に、RFIDを読取し、出勤者登録をします。
退勤登録
退勤時に、RFIDを読取し、被爆線量値をタブレットに入力します。
累計被爆線量管理
管理PCで累計被爆線量を管理します。